本を取る手間
照明機器を替えるだけでいいのか。あるいは天井の取り付け部分に工事が必要だろうか。仕事部屋という用途で言えば、クローゼットもほんとうならば必要ない。ひとりの人が寝る、着替える、物をしまっておくなど、すべてをここでしていた個室と仕事部屋とでは、求める機能も、当然違ってくる。クローゼットの中には、本棚を置こう。とすると、本棚はこのサイズにおさまることが条件となる。今のスチール製のは、かなりガタがきているので、いずれにせよ買い替えるつもりだ。クローゼット内は、仕切り板で左右に分けられて、幅は右、百三十三センチ、左、三十三センチだった。高さは百八十四センチ、奥行きは五十二センチ。すると、本棚は、百三十三×百八十四×五十二以内と、三十三×百八十四×五十二以内という条件に適合するものでなければならない。そんなにうまいこと、寸法の合うものがあるだろうか。特に仕切りの左側に入れる方は、非常に縦長となる。本棚でなく、「隙間収納」家具から探さなければならないのではないか。「それにしても、本一冊とるのに、いちいち扉を開け閉めするのが、面倒ですね」と田中氏が言った。同感である。
押し入れのふすまを取り払う
扉の動きも、必ずしもスムーズではない。「いっそ、扉だけ外して使いますか?」ハウスクリーニングの業者が提案した。「そんなことができるんですか」「外すのは、簡単ですよ」しかし、外してそれっきりというわけにはいかない。仕切り板がむき出しになり、開けっぱなしの押し入れのようになる。若い人向けのインテリア雑誌によく「収納の悩み解決」の実例として、「押し入れの襖を取り払って使う」というのがある。あれと同じだ。その場合は、押し入れの前にカーテンを下げるというのがパターンだが、せっかくの仕事部屋だ、もうひと工夫したい。カーテンの代わりに、ブラインド?ロールスクリーン?まわりに合わせると、色はやはりグレーだろうか。が、それだと、OHPのスクリーンみたいにならないか。ハウスクリーニングの業者では、ブラインドの類も取り扱っているといい、車の中からカタログまで持ってきたが、何ぶん、たった今降ってわいたような話だから、イメージがわかない。「すみません、少し考える時間を下さい」自分の家なのだから時間はいくらでもあるのに、なぜか謝って、とりあえず扉を外すことだけ、クリーニングとともに依頼した。

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